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めはり寿司

めはり寿司の画像

『めはり寿司』は、熊野地方(和歌山県・三重県)と、吉野地方(奈良県)で古くから伝わる郷土料理の一つです。
熊野地方の人々は、山仕事や農作業の忙しいい合間に、この『めはり寿司』をお弁当代わりに、ほぼ毎日食べていたそうです。
握りこぶし大に握った麦飯を、塩漬けした高菜の葉でくるんで食べる、なんとも簡素なおにぎり弁当。
その素朴な味わいが、今でも変わらず愛され続ける人気の秘密のようです。
2つ3つでお腹がいっぱになるように大きく握るので、食べる時に大きく口を開け、目まで見張って食べることから『めはり寿司』と呼ばれるようになったとか。

『めはり寿司』は、今では一般家庭で作られるだけでなく、『めはり寿司』専門のお店や、名産品として販売されるようになりました。
特に和歌山県では、『めはり寿司』は特産品として和歌山県推薦優良土産品に指定されています。
現在の『めはり寿司』の形も変わり、麦飯に代わり、白飯や酢飯を使ったり、具材にもゴマやじゃこ、鰹節など色々な種類を味わえるようになり、駅弁や空弁などご当地グルメとして販売されています。

和歌山県南部(一部)を地盤とする「丸新」が、和歌山新宮駅構内にて「熊野名産めはり寿し」を、¥630で販売しています。
電車の中でも手軽に食べれるようにと、一口サイズの大きさにアレンジされています。
熊野古道や熊野那智大社を訪れる方々の楽しみにもなっているようです。

ところで、私たちは『寿司』と聞くと、『お酢』を使った酢飯や江戸前寿司を連想しますよね。
では何故酢飯を使わない『めはり寿司』を『寿司』と呼ぶのか。
実は、寿司とは本来は、塩と飯で漬け込み熟成・発酵させた食品のことで、発酵にすることによって生まれる酸味が寿司本来の持ち味である。
「発酵食品である漬物でご飯を巻いたもの」だから、『めはり寿司』と呼ばれたそうです。


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